マンションを購入すると毎月、継続的にかかる費用があります。なかでも、「管理費」と「修繕積立金」はよく知られた費用です。しかし、この2つの違いが具体的にどこにあるのか知っている方は少ないのではないでしょうか。今回は、管理費と修繕積立金の違いを解説していきたいと思います。

マンションの管理費と修繕積立金の違い

管理費と修繕積立金の違いは、それぞれの用途から知ることができます。

・管理費の概要と用途

マンションに住んでいる人たちが快適な生活を送れるようにするためには、しっかりとマンション内の管理を行なっていく必要があります。管理費は、そのために設定されている費用です。

たとえば、マンション内にはエレベーターや照明などの設備が整っています。また、敷地も広く、遊具などが置かれている場合もあるでしょう。そうした設備などの状態を保ち、快適に使用するためには、メンテナンスや清掃が欠かせません。

その費用を管理費でまかなっています。ほかにも、多くのマンションでは一晩中エントランスの照明をつけていますが、その電気代も管理費から支払われています。

具体的に、管理費の主な用途を確認してみましょう。

・光熱費

・組合運営費

・管理委託費

・保険料

・予備費

・そのほか

以上のように、共用部の管理をしっかり行なうために管理費は設けられているのです。

では続いて、修繕積立金のことについて説明します。

・修繕積立金の概要と用途

マンションは経年とともに劣化していきます。マンションでは、この劣化を抑えるためにメンテナンスを行ないます。そのときの費用をまかなうために、毎月コツコツと貯めていくものを「修繕積立金」と言います。

修繕積立金は、外壁の補修や排水管の取り換え工事、また耐震性を強化するための大規模改修工事などを行なうときに使われます。より具体的に修繕積立金の用途を見てみましょう。

・屋根の防水

・床の防水

・外壁の補修、塗装

・建具、金物

・給水設備

・排水設備

・電気設備

・ガス設備

・消防設備

・立体駐車場設備

・そのほか

こうした特徴から、管理費が「毎月支払う費用」であるのに対して、修繕積立金は「毎月貯金する費用」であると言えます。

管理費と修繕積立金があることのメリット

毎月支払う必要がある管理費と修繕積立金。人によっては、支払いたくないと考える人も多いようです。しかし、この2つの費用があることで、以下のようなメリットを得ることができます。

・共用部が充実する

さきほどもお話ししましたが、管理費はマンション内の設備や施設の状態を保つために設定されています。もし、管理費がなければ、これらの設備や施設の状態を維持できなくなるため、快適な生活を送れるマンションではなくなるでしょう。普段、当たり前のように使用しているエレベーターも、管理費があることで使うことができています。このように充実した共用部を利用できているのは管理費があるおかげと言えます。

・資産価値が保たれる

修繕工事ができれば、建物の強度が上がり、劣化の進行を抑えることができます。それは、そのマンションの資産価値を高めることにつながります。資産価値が高くなれば、いざ部屋を売却することになったとき、高値で取引される可能性も出てきます。これは、修繕積立金があるからこそ実現できていることです。

管理費と修繕積立金があることで以上のようなメリットを得られることは、しっかりと覚えておきましょう。ただし、管理費と修繕積立金は年々、値上がりしていくこともあります。値上がりする理由はそれぞれのマンションで異なりますが、この2つにはそうした面があることも頭のなかに入れておくことをオススメします。

まとめ

管理費と修繕積立金の違いはわかりましたでしょうか。マンションの購入を検討している方は購入後、月々のローンに加え、このような支払いがあることを覚えておきましょう。